2026年5月31日

アーセナルについて

エゼのユニフォームを買ったときの記念写真

 ヨーロッパサッカーのシーズンが終了し、ぼくが応援しているアーセナルはプレミアリーグで優勝しました。昨日行われたチャンピオンズリーグ決勝では惜しくもPK戦の末に破れてしまったものの試合はとても素晴らしいもので、寝て起きたらむしろ負けて良かったとすら思えるくらいの感慨深さと改めてリーグ優勝のうれしさがあったので、今日はこれまでの観察の記録としてアーセナルにまつわることを適当に長々と書いていきます。

 ぼくはここ五シーズンほどアーセナルを応援しています。サッカーを好きになったきっかけはチェルシー、大学時代のお気に入りはリバプールなのでずっとプレミアリーグを気にしていた感じはあるのですが、当然地元クラブでもないのでこれと言って応援するわけでもなく、特にリバプールに関しては当時クロップ政権全盛期で試合を観ても勝つのが当然、引き分け以下なら腹が立つという具合で無か負の感情にしかなっておらずあまり良い趣味ではなかったです。

 ちなみにゼミの教授がスウォンジーファンで、ぼくがアルバイトをしていたスーパーに彼が来るといつもサッカーの話をする流れになっていたのを書きながら思い出しました。

 本題に戻ると、ぼくがアーセナルを応援し始めたのは2022年の元日でした。2021年12月のアーセナルは冨安やスミスロウなど若手が重用され素行不良のオーバメヤンが干されるなど、フロントを含め一貫性のある組織が形成されている雰囲気があって、成績の面でも不振を脱却する兆しを見せ始めていました。当時ニュースだけ追っていたのですが、個人的には三年くらいあれば優勝争いできる可能性がありそうだと思っていた。

 そのタイミングで元日の夜にマンチェスターシティとの試合があったので実際の試合はどうなのか試しに観てみたところ、単純にとても面白く、プレミアリーグを追いかけたいけど応援に身の入るチームがないというぼくにはアーセナルを媒体にして三年観るのがちょうど良いと思ったわけです。

 アーセナルは予想に反して翌シーズンから優勝争いに絡み始めました。ジェズスとジンチェンコの獲得、サリバとジャカの活躍が大きかった。アーセナルの慢性的な課題として、右サイドにはサカ、ウーデゴール、ホワイト(ティンバー)の連携があるのに対して左サイドの攻撃をどう構築するかという問題があるのですが、このシーズンは左サイドでジェズスとマルティネッリが入れ替わりながら攻めていくのが楽しくて好きでした。自分と同年代で規律を守ることのできる真面目な選手が多く、ゴールセレブレーションを見ても明らかにチーム状態が良さそうで、観ていて気持ちが良かったのを覚えています。

 しかしこのシーズンはヨーロッパリーグのスポルティングCP戦で冨安とサリバが同時に離脱してから崩れて二位となってしまいました。ジェズスがワールドカップで膝を傷めてから結局このシーズンの前半戦のようなトップコンディションに戻らなかったのも残念です。

 アーセナルはその後二シーズンも二位。一昨シーズンあたりから徐々に守備的な側面を強めはじめ、今シーズンはリーグの歴史においても特筆すべき守備力を持ったチームになったと思うのですが、相手が引いて守ることも相まって攻撃や試合全体の迫力が損なわれていき、一昨シーズンや昨シーズンのことは正直あまり覚えていません。あの日のアーセナルはどこへ行ってしまったのだろうという虚しさがないこともないです。

 ただ応援しはじめて三年経つ頃には、プレミアリーグ観戦のための媒体としてではなくアーセナルというクラブ自体にちゃんと愛着が湧いていました。地元住民かのように海外クラブを応援することが恥ずかしくあくまでも観察という自由研究的なスタンスなので、自分がアーセナルに使った時間やその記憶に対する愛着でもあるのかも。

 そんなスタンスだといざ優勝したら自分には関係ないという気分になってしまいそうだと思っていたのですが、先日のリーグ優勝はちゃんとうれしく、ウーデゴールがトロフィを持っているのを見て胸が熱くなったので良かったです。

 そして昨日のチャンピオンズリーグ決勝は、アーセナルが現在の世界最高クラスのチームだということを象徴する試合でした。前半はパリサンジェルマンに付け入る隙を与えないブロックを作り、後半からは前にも出て決定機を作る、そしてフルタイムで走り切るという素晴らしい試合内容で、あの元日に観たチームがここまで成長したということが非常に感慨深いです。

 当事者ではないので言える負け惜しみですが、昨日の敗戦は来シーズン以降も続くドラマの展開としてはより面白いのでむしろ満足、正直いきなり二冠は大味だし完結感が強過ぎます。

 アーセナルというクラブのいろんな試合をそれなりに見てきたいま、監督や選手、チーム全体の変化や成長をドラマとして見られるのが特定のクラブを継続して応援することの醍醐味だと思います。そしてそれは例えば多忙で見逃した試合が負け試合であっても後日嫌々視聴するような、本来生活に不要な負荷をあえて掛け続けることであったり、応援するきっかけにもなった面白い攻撃が大半の試合で失われてしまったり、毎シーズン何かしらの大一番を落としたりといった雑味を味わうことでより強く感じられるものだということも実感しました。今シーズン、そうして見てきた選手たちがようやく優勝してうれしいです。