2025年1月21日
初期化の穴

先週、家のWi-Fiが繋がらなくなった。晩ご飯を食べながらYouTubeで流していた動画が突然止まって、回線がうんともすんとも言わなくなってしまいました。
端末でWi-Fiを接続し直したり、Googleで調べた手順に従ってルーターや回線終端装置(こんな物騒な名前の代物が自分の家にあるのを初めて知った)をコンセントに差し直したりしてもだめでした。
最終段階はルーターを初期化することだったのですが、それには初期化の穴を突く必要がありました。小さめの電化製品でよく見るあの小さな小さな穴。
メーカー公式サイトにデモンストレーションの動画が二本あったので一本目を見ると、当然のように爪楊枝で初期化の穴を突いていました。ぼくの家には爪楊枝がない。代わりになる細いものを探しました。爪楊枝の代わりになるくらい細いもの、それは恐らくぼくの家で最も細いものでしょう。
初期化の穴が必要になるとき、それを必要としている人の機嫌はきっと傾いているはずです。そんな状況の人に、なぜ家で最も細いものを探させるような真似をするんだろう。童話で目にする感じの試練だ。結局引き出しの中にまち針が見つかったのでそれで突きました。メーカーがユーザーを使って語ろうとしている童話の筋を順当になぞったわけです。ただそれでも直らずその日はそのまま寝た。
次の日確認すると、きちんと見ていなかった二本目の動画に答えがあるということが分かりました。とりあえず一安心したもののなんだか釈然としない。ルーターの初期化が必要になるとき、それを必要としている人のWi-Fiはきっと繋がっていないはずです。そんな状況の人に、なぜ二本も動画を見せるような真似をするんだろう。また童話で目にする感じの試練だ。